月曜日, 1月 17, 2005

Reality

 正月に放送されていた佐藤雅彦さんの番組をビデオみた。
"animation for concept"というコンセプトで、映像によって「考え方」を理解してもらうことをねらっていて、すばらしいと思った。(以下抜粋)
 
・・entertainmentからinterestへ。これまでのentertainmentの作品では、みる私たちが受動的に娯楽を与えられてました。それとは異なり「考え方」をもとにした作品では、それに接する私たちが主体的に作品に関わるよう導いてくれます。分かる楽しさ、知りたい気持ち、つまり、interestを重視する方向へ。見る人と表現の新しい関係を提案しているのです・・

hotwiredに「ゲームに熱中しすぎて現実との区別が曖昧に」という記事があって
http://hotwired.goo.ne.jp/news/20050113202.html

何にリアリティを与えるのか?という問題があると思った。
脳が感じるリアリティは現実の日常の生活だけではない。脳はなんにでもリアリティを感じることができる能力を持っている。問題は、感覚レベルの脳活動にリアリティを与えるのか?抽象レベルの脳活動にリアリティを与えるのか?ということで、

例えば、ゲームでは、特にカーレースとか、フライト・シミュレーターでは、脳の感覚レベルの脳活動にリアリティを与える。これらのゲームの体験は感覚入力・運動出力・情動の報酬が密接に絡み合っているのだけれども、それを体験することによって、世の中の見方が変化するようなものが得られることは稀なのではなかろうか。その理由はそれらの刺激が主に脳の動物的な部分しか活性化させてないからなのだと思う。
 
 もしも日常の生活に影響を与えるようななにかをつくりたいならば、脳の抽象レベルの脳活動にリアリティが形成されるようデザインする必要があると思う。さまざまな日常で経験する具体的な体験をある共通の「見方」「考え方」でくくれるような、抽象レベルの知識に脳がリアリティをもてたとき、ヒトの創造性は活性化されるのではなかろうか。

そんなことを考えていたら、佐藤さんの方向はすばらしいのではなかろうかと思った。

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