火曜日, 10月 09, 2007

fMRIでハンサム脳


先週金曜日に認知実験のバイト生まれて初めてfMRIに入った。


ズギュン、ズギュン、ズギュン、という1Hzぐらいの機械音が


絶えず鳴り響く狭い空間のなかで頭を固定されて


一時間じっとしながら鏡に写ったモニター画面をみつつ


ときおりボタンをおすという実験をした。


なにか脳に負荷がかかっているという感覚があって


ああ、いま頭のなかをスキャンされているんだ、


という解釈がたちあがって、


なんだかとても不思議な体験だった。


この感覚をなにかSFのネタにできないだろうかと


いろいろ思案してみる。





実験がCMに関する実験で、それでCMについて


いろいろ考えさせられた。


CMを認知科学的にみるとまさに文脈問題そのもので


自分がいままさに興味をもっているものに関するCMは


感情が動くのだけれど、自分が興味のないものに関する


CMはノイズとみなされる。


だからウェブのターゲット広告は検索したキーワードに関する


広告をだすのですごく効率がよいことが


わかるのだけれど、いまのリアルな世界のCMは


そもそも見ているときに興味のあるCMが流れるかどうかわからないし


商品を目の前にしたときのそのCMを思い出すかどうかわからない


などなどで、CMと商品の購買までの間に


無数の偶然の要素が入り込んでいて、CMの効果がいまいちわからない。


だから、リアルでかつもっとジャストインタイムな


CMの提示の仕組みをつくれたら、きっとすごいビジネスチャンスが


あるのだろうと思った。





自分の脳を初めてみた。片半球がなかったらどうしよう、とか


前頭葉が一部欠けていたらどうしようとか、計るまえは


いろいろと不安がよぎったのだけれど


おれの脳は、スイカみたいに真ん丸くてかつ左右が対称で、


fMRIのスタッフのひとからハンサム脳だと褒められた。


普通の男性の脳はもっと楕円で、左右も非対称なのだという。


自然界では孔雀の羽のように、左右が対称かどうかということが


もてるかどうかの有力な分かれ目になることがあって、だから


脳が左右対称であることが、なにか御利益になることは


ないのだろうかといろいろ妄想する。





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脳を研究していると言っても、ただ行動だけを計測していたり、


神経細胞のモデルのシミュレーションだけをしていたり、または


心の理論という、ぐにゃぐにゃした概念的なものだけを


相手にしていたりすると


自分は本当に脳のことを研究しているのだろうか?


と不安になることがあって、


だから脳そのものが(映像だけど)目の前に提示されると、


そのリアリティに圧倒された!


しかもそれが自分の脳であるということが興味をそそって


言語野を探したり、視床を探したり、海馬を探したり、


利き腕の運動野のほうが大きいのを確認したり、


脳梁がたしかに女性の脳と比べて小さいのを確認したりして


それがすごく楽しいことに気がついた。





「脳コンサルティング」の着想を得る。





脳についての知識はもっているけれど、実物の脳は見たことがない状態で


意識について考えていると、自分はよく不安になる。


だからfMRIで研究している人たちは、脳そのものから


リアリティを感じられていいですよね、というようなことを


ボスにいうと、だからいまの脳科学はだめなんだ、


というような意味のコメントをされて、理論家魂を垣間見た気がした。


理論とかコンセプトに対してリアリティを感じることができるか?


それが大きな分かれ目だ。





どうでもいいけれど「人生Bダッシュ」という名言を思いついた。


が、ぐぐると15件もひっかかった。うむむ。


水曜日, 10月 03, 2007

いつのまにか10月。


毎日あわのようにぼこぼこと頭に浮かんでくるなにかを


メモして、そこから考えて、忘れて


また浮かんできて、メモして、考えて、忘れて


という無限ループを繰り返しているうちに


なんとなく一日が過ぎている、という生活が続いている。





日記があまり書けなくなったのは


ふつう頭のなかでぐるぐる回っているなまの思考というのは、


背景を説明したり、直感の飛躍を論理で埋めたり、うまい言葉を見つけたりして


かたちを整えないと、そのままでは他人とは共有不能な性質をもっていて


そのかたちを整えることがどうも億劫になってしまって、





しかし書きづらいと思うことを書こうとしない限り、


書くということのレベルアップは望めないわけで、


だから、なにか書こうと思ったら


こんな文章になった。うーむ。


他人にも理解してもらえる文章を書くことを日課にしたいと思ふ今日この頃。