恒例の研究室のクリスマスパーティがあった。なにか作品を披露することがノルマで今年も動画をつくった。研究を中断して作っていたら丸3日間もかかった!アイディアは一瞬で思いついたのだが、そのイメージに近づけようといろいろとクオリティを上げようとしていたらだらだらと時間がかかった。
12月の昼間の空には雲がなかった。欲しかったのは夏のもくもくした雲の映像だったのだが、雲一つない晴天が続いた。しょうがないのでネット上に落ちている素材をつかった。落ちている動画がプレミアで読み込めなくてそれを読もうといろいろとやっている作業が一番時間がかかった。
本当はヴィジュアル・ドラッグっぽいものを作りたかったのだけれど、時間がかかるわりにはきっとありきたりのCGにしかならない気がしたので断念。なので今年のオマケイの作品を見て、こんな手があったのか!と衝撃をうけた。
今年の作品は去年の作品の延長線上にある。去年の動画から自分なりに抽出した原理としては、幸せな顔はそれ自体に価値があるということだと思う。これは、去年、森美術館で、Mette TronvollというアーティストのIsortoq Unartoq(ドイツ語か?)という作品をみて、それは温泉のようなところにつかっている人をひたすら長撮りをしている映像なのだけれど、
http://www.schaden.com/book/TroMetIso00051.html
とても印象に残っていて、それは結局、温泉につかっていてリラックスしているときの表情がとてもよかったということだけなのだけれど、それは何度もみたいと思わせる動画をつくるための1つの要素で、Isortoq Unartoqの作品の中に出てくる女の子の表情が、去年自分がつくった動画のジロー、セキネ、オンゾーが海に潜るときの表情と同じだなーということに気がついたときに、そうか幸せそうな顔には人を惹きつける力があるのかと思った。
それと、金沢21世紀美術館に展示されているジェームス・タレルのブルー・プラネット・スカイという作品をテレビでみたときに、四角く切り抜かれた天井からみた空の雲の動きがなんかとてもよいと思った。
http://www.mapion.co.jp/area/hokuriku/museum.html
そういう伏線のもとで思いついたのが、研究室のメンバーが研究所の中でなぜか幸せそうな顔をして立っていて、その人たちは窓を持っていて、その窓の向こうには空と雲が流れているという映像だった。実際につくってみると、そういう顔をしてくれといってもなかなかできるものではないことを知る。
あとタイトルの問題。タイトルをつけると、作品の印象が全然かわってしまう。なにも先入観をもたないで、ただ不思議な雰囲気を感じるということがどうも俺の得たイメージに一番近くて、タイトルをつけるとそれがなくなってしまうことに気がついた。なのでタイトルはつけなかった。
クリスマスパーティは、一夜漬けでつくったセキネが優勝した。お笑い系の作品でとにかくおもしろかった。くやしいなり。ここ3年、優勝したのはすべて笑いをとった作品ですな。アートにはいろいろなベクトルがあって一次元の尺度では評価などできないはずなのだけれど、笑いというベクトルはだれの心にも訴求力があって強力なベクトルなのだなーと思ふ。
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