土曜日, 12月 18, 2004

humour

 最近、「笑い」の研究を密かに始める(笑)。
 脳科学、創造性の問題、言語学、メタ認知の視点から、笑いの「構造」をとらえることができるのではないかと考えはじめた。
 
 有名なジョークがある。[脳と心の地形図 リタ・カーター(著) から抜粋]

 一頭のカンガルーがバーに入ってきてスツールに腰かけ、ビールを注文した。バーテンダーはびっくりしながらも、ビールを出してやった。「いくらだい?」とカンガルーがたずねる。気を取りなおしたバーテンダーは、カンガルーがどれくらい賢いか試してやろうと、法外なお金を請求した。カンガルーはおとなしく支払う。やっぱり人間さまのほうが一枚上手だと安心したバーテンダーは、つい口をすべらせてしまった。「このお店にカンガルーはめったに来ないから・・。」

 このジョークの落ちは次の3つのうちどれだろう。
(a)カンガルーは銃を出してバーテンダーを撃ち殺した。
(b)隣の椅子に座っていた男が、自分は腹話術師でカンガルーがビールを飲むように仕込んだのだとうち明けた。
(c)「そりゃそうだ。ビールがこの値段じゃね」とカンガルーは言った。
 
 答えは当然(c)である。でも右脳に障害を持つ人は、当たり前ずぎておもしろくも何ともない(b)を選び、そして、左脳に障害がある人は、脈絡のない結末である(a)を選択するという。

 (a)(b)(c)はどれも文は理解できる。でもこの文の中で笑いを生むのは(c)だけであるという事実がとても不思議だ!もしこれが選択肢が提示されなかったらはたして(c)のような落ちを思いつくことはできるのだろうか?そこにありとあらゆる問題がひそんでいる気がする。(a)のような答えは精神がとっても逝ってしまっているなーという感じがするのだけれども、(b)のような答えしか思いつかない人は結構いるのではなかろうか。これは、女の子と一緒に花火を見に行ったときに、なにか話さなくはと焦って思わず「あの赤い色はリチウムなんだよ・・・」と説明を始めてしまう思考回路ととても似ている気がする。

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