月曜日, 5月 16, 2005

ワタシ

 6月にあたまに就職関係の締め切りがいろいろあるのだれど論文はそれまでにはもう間に合わないだろう。なので開き直ってポスドクの研究計画を練るための知識を仕入れはじめる。ここ二日間は、論文を中断して、河本英夫さんの「オートポイエーシス」という本を読んでいた。
 プリゴジンのゆらぎ、ハーケンのシナジェティックス、自己組織化、創発システムなどたくさんの頭の中で関係が整理できないキーワードがあったのだけれども、この本はそれをシステム論の歴史として解説していて、ここまで体系立ててすごいな・・と思いながら読んだ。


数日前、新聞に短歌の歌集をだした斉藤斎藤さんの紹介があって

「たとえば斎藤茂吉みたいにコッテリした『われ』でいける時代ではない。みんなむき出しで放り出されて、『私って何?』を構築しなきゃならない」

という文に妙に惹かれた。

最近、人生についてよく考えるようになって、養老さんの「考えるヒト」の

人生は崖の途中に貼りついているようなものである。手を離せば、落っこちてしまう。そうかといって、上に登るのは疲れる。もう登る余力もない。それでも登るしかない。それが人生だ。そう思っておけば間違いない。

というくだりを読んで妙に安心する。

崖に貼りついていて、ふと気がつくと鼻の先のくぼみに一輪の花が咲いていて、思わずそれに見とれる。そういうことが大切なのかもしれないとふと思う。

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