映画の皇帝ペンギンをみた。
皇帝ペンギンの生態を追ったドキュメント。
皇帝ペンギンは子育てのために海から百キロあまり離れた陸地をめざす。
そこでパートナーを選ぶんだけど、皇帝ペンギンは、雄の数よりも雌の数のほうが多いので、雄を巡って雌が闘っていた!といっても手(ヒレ?)でお互いの体をたたきあうだけなんだけど、雄は呆然と見守っていた・・(笑)。
雌が子育てをすべてする鳥の場合、雌にパートナー選びの選択権があって、優れた雄が1人勝ちする形態が多いんだけど、皇帝ペンギンは一匹の雄が必ず一匹の雌の卵を守らないといけないのでこういう自体になるのだろう。進化論の性淘汰の理論では、雌の好みが種の形態の進化を促進させるというけれど、そして男女の比率は当然変動しているんだろうけども、皇帝ペンギンはどうやってこのスタイルを進化させてきたのだろうか?ゲーム理論的にみると、きっと奇跡的な均衡解に収束しているにちがいない・・。
雌は卵を生んだ後、二ヶ月ほど雄に卵をあずかってもらい、産卵でエネルギーをつかった雌はまた海にもどってエサをたべる。
そのときの雌から雄に卵をわたすシーンがよかった。
極寒の南極では、数秒放置しておくだけで卵は死んでしまう。それで雌はなるべく素早く卵を雄に渡さなくてはならない。
ある若いカップルはうまく受け渡しができなくて卵を死なせてしまう。
そのシーンのあと、ふたたび、雌から卵をわたされて、雄は卵を地面につけたまま、モソモソしている。そのままじゃまた卵死なないの?とハラハラして見ていると、突然、両足の内側で卵をはさみこんでヒョイっと上にもちあげ卵全体を体で包み込む。その瞬間、ジーんときた。
あとブリザードのなか、雄は卵を抱きながらじっと耐えるシーンもよかった。
個体は厳しい自然に敗れて次々に死んでいくけど、種として生き延びていく。
映画はふつうひとりの主人公の体験を描くけど、この映画は個体はつぎつぎに死んでいく。でも種としては生き延びていく。まるでサイエンスのようだけど感動があって映画として成立しているところがすごいなーと思った。
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