土曜日, 11月 05, 2005

どつぼ

SFN出発一週間前。
バタバタをとおりこしてジタバタしてる。
学会20日前に新しいシミュレーションを走らせていて
案の定、はまっている。

松岡正剛さんの「オートポイエーシス」のレビューをたまたま見つけて
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1063.html
オートポイエーシスのはなしがいまやっているシミュレーションと
シンクロしてきた。

オートポイエーシスの重要な考えとして、

産出プロセスのネットワークが構成素を産出し、構成要素が
産出するのは産出プロセスのネットワークなのである。つまり自己が自己
を生んでいる。まさに自己創出システムなのである。(抜粋)

というのがあるんだけれども、自発発火と可塑性の関係も

神経回路が自発発火を生み出し、自発発火が神経回路を変えていく

というある種の自己再帰性がある。
だから、自発発火によってそれを生み出している構造は維持できるのか?
というのがひとつの問題で、いまやっているのはそういうことなんだなと
ひとり納得する。

しかし、いつものとおり思考は発散して、

脳の活動が表象を産出し、表象が脳の活動をつくる

という言明にどれくらいの意味があるのか?ということを考えはじめる。
表象を生み出していることに関わっているであろう脳活動の存在は示せるけれど、
逆の、表象が脳活動に影響を与えているというデータは示せ得るのだろうか?

例えば、覚醒中の脳波と睡眠中(意識のない状態)の脳波のパターンは
あきらかにちがう。だから、覚醒中の脳波と意識の存在の間にはなにかしらの
関係があるといえる。そのとき、「表象が脳の活動をつくる」ということを
いうためには、きっと、生成されている意識が、なにから未知の因果法則によって、
精神世界から物質世界へ影響を及ぼすことで、覚醒中の脳波が
生み出されているということを示さなくてはならない。苦しい・・。

いまのところ、脳活動を支配する物理的な因果性はどこまでも物理的世界で
閉じていて、そこに表象や意識がうまれる余地が見あたらないというのがいまの
脳科学の大問題で、とりあえず、オートポイエーシスと意識の随伴現象仮説の話が
つながったところでこの思考はおしまい。

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