中部大のミウラさんという方が研究所にいらしてミウラさんが考案した英語の革新的な勉強法についてトークをしてくれた。体操を通して英語の発音をマスターできてしまう。生まれて初めて正しいLとRの発音がわかった。すでに無意識になってしまったプロセスを運動や視覚のフィードバックによって意識の上にあげ、さらに矯正してくれる効果にかなり驚かされた。個人的にはピタゴラスイッチの体操のレパートリーに新しく加わることを期待(笑)。
意識は表象で満たされている。ちょっとまえまで「表象」という言葉にいまいち実感がわかなかったのだが、山鳥さんの「わかるとはどういうことか」を読んで、いろいろな表象の「わかる」があることを知って、表象というのは外の世界に物として存在しているものだけではなく、印象とかそれに伴う情動の変化とかちょっとした違和感とかそういった”あいまい”な内なる感覚も空間に存在しているわけではないけれども確かな実体として意識の中に存在するもの、と考えるようになった。
認知実験でもゲームでもアートでも求められているのは「新しい表象」を見つけることであると思う。まあ認知科学は表象の原理を研究する学問だがそれを考えるために必要な思考回路はかなり重なっていると思う。ゲームクリエータが快楽曲線をデザインしているという話
http://www.axisinc.co.jp/forum/mizuguchi-src.html
もあるし、実験心理学的な作品をつくるアーティストもいる。
ミウラさんの体操は、確かな表象の変革があった。そしてそれは英語をマスターしたい人にとっては切実な問題である。だれもが当たり前すぎて意識していないこと、またはあきらめて忘れてしまっていることにも新しい表象の種はあるのだなーと知ったことがとても新鮮だった。